0020-11-09

★公開特別公演・特別講演会・シンポジウム


11月22日(土):
公開特別公演・特別講演会
公開特別公演  13:30-14:10
◆演目: 「能と笛:こころ・からだ・いのち」
能 : 安田 登 (下掛宝生流ワキ方)
笛 : 槻宅 聡 (能楽森田流笛方)

プロフィール
安田登 1956年生まれ。ワキ方能楽師であり、日本ではまだ数少ない米国Rolf Institute公認ロルファーの一人。能、ロルフィング、身体技法、教育など幅広い分野で活動している。
著書に『ワキから見る能世界』 (NHK出版生活人新書)『能に学ぶ身体技法』(ベースボールマガジン社)他。

槻 宅聡  1961年島根県生まれ。1993年、国立能楽堂第2期研修修了。故・寺井啓之(重要無形文化財総合指定)、中谷明(重要無形文化財総合指定)に師事。出 身の島根県を中心に、能を紹介するワークショップなどを続けている。また神霊を招く笛といわれる能管を駆使し、安田らの語りの公演でも中心的な役割を果た している。


公開特別講演  14:20-16:20

◆基調講演=問題提起
 演題: 「鎮守の森の思想:日本から世界へ」
 講師: 宮脇 昭(植物生態学・国際生態学センター研究所所長)

◆鼎談=問題提起を受けて
 論題: 「生き方の問題:その原点を問う」
 論者: 宮脇 昭(植物生態学・国際生態学センター研究所所長)
     大井 玄(環境医学・国立環境研究所元所長)
春木 豊(身体心理学・人体科学会前会長)

  宮脇昭先生は国内外に3千万本超の植樹をして地球環境問題の解決のために貢献した人物に贈られる「ブループラネット賞」を受賞されている。その授賞式で 「あと30年みなさんとともに木を植え、みなさんの力で命の森づくりを日本から世界へ広げたい」と宣言。基調講演では、宮脇先生に自らの「植樹は、自分の 心に木を植え、豊かにするという人生哲学」と「自然と人間との共生関係問題」を植物生態学の立場から語ってもらい、人間の「生き方の問題」の「その原点を 問う」ために、示唆となる問題提起が浮かび上がってくることを期待したい。鼎談では、その「問題提起」を春木豊先生に整理していただくと同時に進行役をも 兼ねてもらい、お三方の談論風発を期待したい。大井玄先生と春木先生は、その当初より、人間性の本質「こころ・からだ・いのち」の諸問題に取り組んでこら れた人体科学会の育ての親メンバーである。そして「鎮守の森の思想」とはまさに日本人の原点的な生き方の思想にほかならない。この鼎談で、「原点」と 「21世紀」とを直結させる新しい「思潮の風」の起こることを期待したい。そして本大会のすべてが、総合テーマ「生き方の問題:その原点を問う」を掲げ て、その「風」のもとに盛り上がることを期待したい。(大会事務局)

プロフィール
宮脇 昭
1928年岡山県生まれ。植物 生態学者。広島文理大学卒。理学博士。西ドイツ国立植生図研究所研究員、横浜国立大学教授、国際生態学会長などを経て、現在財団法人国際生態学センター研 究所所長。横浜大学名誉教授。著書に『日本植生誌(全10巻)』『植物と人間』『鎮守の森』『いのちの森を生む』など多数。毎日出版文化賞、朝日賞、ブ ループラネット賞などを受賞。「命を、心を、文化を守るために、まず、ひとりひとりが木を植えよう」を世界中で提唱。

大井 玄
1935 年生まれ。東京大学医学部卒。環境医学専攻。医学博士。ペンシルバニア大学グラデュエイト病院、東京都立衛生研究所、帝京大学医学部、東京大学医学部、国 立環境研究所などに勤務の後、現在「痴呆のケア」や「終末期医療」に従事。著書に『痴呆の哲学』、『終末期医療』ほか多数。深層心理と倫理意識や価値観と のかかわりに関心をもつ。人体科学会常任理事。

春木 豊
1933年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科心理学専攻博士課程。身体 心理学専攻。文学博士。早稲田大学文学部教授、人間科学部教授を経て、現在、早稲田大学名誉教授。著書に『観察学習の心理学』、『身体心理学』『人間の行 動コントロール論』ほか多数。東洋思想と西洋思想の融合を、身体心理学と学会活動をとおして、模索中。人体科学会前会長・現顧問。


合同懇親会 18:00―20:00

11 月22日(土)18:00から、関西大学千里山キャンパス第一学舎で開催します。今回の大会の共催団体である、日本トランスパーソナル心理学/精神医学 会、大阪体育学会身体運動文化領域研究会、身体運動文化学会関西支部の会員相互の親睦の場となりますので、多数の参加をお願いします。


11月23日(日・祝):
研究発表・ワークショップ・シンポジウム

シンポジウム
シンポジウムⅠ:「気」の研究の新たな展望 13:00-14:50
論題: 「気功体験から哲学、脳科学、認知科学への提言」 
論者: 鮎澤 聡 (脳科学・筑波大学講師)
    野村 幸正(認知科学・関西大学教授)
    山口 一郎(哲学・東洋大学教授)
司会: 村川 治彦(心身統合学・関西大学准教授)
    津村 喬 (気功学・気功文化研究所所長)

  従来の気の研究は、気を実体化して捉えそれを客観主義科学の枠組みの中で物理的・生化学的に裏付けようというアプローチか、気という概念を哲学的、歴史的 に考察するアプローチが主流であった。これに対して、今回のシンポジウムでは、まず「気功を実践することで深まる身体経験」そのものに戻り、そこから哲 学・(脳)科学・認知科学が抱える諸問題に役立つ視点を提供できるような方向性を模索したい。同時に、この百数十年の間に私たちの日常的身体の基盤となっ た西洋医学的身体を脱構築し、それとは異なる「気流れる身体」を明らかにすることで、文化的身体性の領域を考察していく展望も開ければと思う。
  
シンポジウムⅡ:大阪発「元気」の創造  15:00-17:00
論題: 「いま、なぜ『リクリエイト歩行文化』なのか」
論者: 遠藤 靖夫(歩行文化実践研究家・ニッポンを歩こう「伊能ウオーク」ディレクター)
    鎌田 東二(宗教学・京都大学こころの未来研究センター教授)
    高橋 和子(からだ気づき教育・横浜国立大学教授・同付属鎌倉小学校校長)
コメンテーター: 
伴  義孝(身体文化論・関西大学教授)
    片倉 道夫(レクリエーション・「歩育」提唱者・大阪府レクリエーション協会専務理事)
   司会: 安田 忠典(身体文化論・関西大学准教授)
(財) 大阪府レクリエーション協会は2005年より「歩育」という造語のもとに人間教育推進運動に取り組んでいる。同協会の提唱によって、「歩育」は、2007 年度より「健康おおさか21プロジェクト」の一環に組み入れられ大阪府民運動として推進されることになった。歩育とは、同協会の定義するところ、歩いて五 感を育み、自然に学び、感性を豊かにし、人と人との絆を深め、豊かな人間力を高めることである。本シンポジウムでは、同協会の「歩育」という問題提起を受 けて、いま、なぜ「リクリエイト歩行文化なのか」を問うてみる。さらに、二足歩行という「人間始原の原点問題」を多面的に問い直すことにおいて、21世紀 の人間の「生き方の問題」を考えてみる。

シンポジウム Ⅲ (日本トランスパーソナル心理学/精神医学会)  15:00―17:00
論題:「生き方の問題」をめぐる学問の探究とスピリチュアルな実践 
論者: 中村 雅彦  (学芸大学ほか講師・元愛媛大学教授)
松本 孚   (相模女子大学教授)
巻口 勇一郎 (常葉学園短期大学専任講師)
塚崎 直樹  (つかさき医院院長) 
濱野 清志  (京都文教大学教授)
司会: 安藤 治  (花園大学教授)